読み方 |
「
秋山余照を斂 ( おさ ) め、飛鳥前侶 ( りょ ) を逐 ( お ) う。彩翆時に分明。夕嵐処所無し。
―
王維作、木蘭柴 ( さい )
― 」 |
通釈 | 秋の山の夕映えはおさまり、鳥は前を行く仲間の鳥を追って飛んでゆく。時々いろどりを添えた山のみどりが、くっきりと見え、夕もやのかかるところがない。 |
語釈 | 王維 (699-759 中国盛唐の大詩人 ) 木蘭柴 ( 王維の別荘にあった景色のよい場所。木蘭は桂に似た匂いのよい木。柴はさくのこと ) 前侶 ( 先行の仲間 ) 彩翆 ( 秋になって色づいた、山の草木のみどり ) 分明 ( はっきりと明らかなさま ) 嵐 ( 山の気。山に生ずるもやの類 )
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【講評】 筆路の明快な秀抜した作品です。