読み方
竹橋小澗 ( かん ) に横たわり、泉響空山に落つ。唯 ( ただ ) 幽棲 ( せい ) の客有り。扁 ( へん ) 舟恣 ( ほしいまま ) に往還す。                                 ― 鄭鵬 ( ていほう ) 作、文徴仲の小景に題す ―
通釈
竹の橋が小さい谷川にかかり、泉のひびきがひっそりとした山に聞こえる。ただ世のわずらわしさを避けて静かに暮らす人がいるだけである。谷川には小さい舟が思うままに行ったり来たりしている。
語釈
鄭鵬 ( 中国明代の詩人 )  文徴仲 ( 中国明代の書家・画人。はじめの字 ( あざな ) を徴明といった ) 題 ( 絵などにそれにちなんだ詩や文をしるすこと ) 澗 ( 谷川 ) 幽棲 ( 俗世間を避けて物静かな所に暮らすこと ) 扁舟 ( 小さい舟 ) 往還 ( 行き来すること )

【講評】 手本によく似た見事な作品です。