読み方
寝に倦 ( う ) みて残更を数う。孤灯暗又明なり。竹梢余雨重く、時に復 ( また ) 檐 ( のき ) を払うに驚く。                                 ― 元 ( げんしん ) 作、雨後 ―
通釈
眠り足って目を覚まし、夜明けまでの時間を数えてみる。ただ一つのともしびが、油の少なくなったせいか、暗くなったり明るくなったりする。雨上がりのこととて、竹のこずえはしっとりと重く、時々竹がのきにふれる音に驚かされる。
語釈
(779 ― 831  中国中唐の詩人・役人 )  倦 ( あきること ) 更 ( 中国で一夜を五つに分けた時間の単位 ) 檐 ( のき。屋根の下端の張り出た部分 )

【講評】 結構・線質ともに一頭地を抜いた作品です。