読み方 |
渭水 ( いすい ) 東流し去る。何 ( いず ) れの時か雍州 ( ようしゅう ) に到 ( いた ) らん。憑 ( よ ) って両行 ( こう ) の涙を添え、寄せて故園に向って流さん。
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岑参 ( しんじん ) 作、渭水を見て秦川 ( しんせん ) を思う詩
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通釈 | この渭水は東に流れるから、いつかはわが故郷の雍州に行き着くであろう。自分は故郷には帰れないが、せめては両眼から落ちる涙だけでも、この流れに託して、故郷へ届けたいものだ。
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語釈 | 岑参 (715-770 中国盛唐の詩人・役人 ) 渭水 ( 中国西北部の川 ) 秦川 ( 中国西北部の地。古の雍州。岑参の故郷 ) 故園 ( 故郷 )
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【講評】 筆脈の通貫した申し分の無い作品です。