読み方
相逢 ( お ) う紅塵 ( じん ) の内。高く揖 ( ゆう ) す黄金の鞭 ( むち ) 。万古垂楊の裏 ( うち ) 。君が家は阿那 ( あな ) の辺。               ― 李白作、相逢行 ( そうほうこう ) ―
通釈
赤い塵 ( ちり ) の立ちのぼる街路で出会った二人の若者。たかだかと黄金の鞭をふりあげて、あいさつをする。しだれ柳につつまれて立ちならぶ何万という家々。君のおすまいはどちらのほうですかとたずね合う。
語釈
李白 (701 ― 762 ・中国盛唐の詩人・役人 ) 行 ( うた ) 紅塵 ( 往来に立ちのぼる塵が日に映じて赤く見えるもの ) 高揖 ( 高く鞭を振りあげる敬礼 ) 阿那 ( どちら )

【講評】 筆脈が通貫し、意連のある卓抜した作品。