読み方
絶漠大群 還 ( かえ ) り、平 沙 ( さ ) 独 戌 ( じゅ ) 間なり。 空 ( むな ) しく一片の石を 留 ( とど ) めて、 万古 燕 ( えん ) 山に在り 。        ― 劉 ( りゅう ) 長 卿 ( けい ) 作、平 蕃 ( ばん ) 曲 ―
通釈
砂漠を横切って大軍が還った後には、平らで広い砂漠に一個の陣屋か゜ひっそりとよこたわっている。そして軍功を刻した一片の記念碑が、永久に見る人もなく、近くの燕山山上にたっている。
語釈
劉長卿 (710? - 785?  中国中唐の詩人・役人 ) 平蕃曲 ( 未開の異民族を平らげて凱旋したことを歌う曲 ) 絶漠 ( 砂漠を横切ること ) 独戌 ( 一個の守備兵の陣屋 ) 燕山 ( 燕然山のこと )

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