読み方
「 衆木揺落の時、 此 ( こ ) の君特に蒼然たり。節直く 心 愈 ( いよいよ ) 空 ( むな ) しく、独を抱いて其の天を 全 ( まっとう ) す。                           ― 呉鎮作、竹に題す ― 」
通釈 多くの木が、その葉を落とす時でも、竹はことに青々している。その節は正しくまっすぐで、その心はますます空で何者にもとらわれない。そして孤独の気ぐらいを持ちつづけて、その自然の道理を充分にたもっているのである。
語釈
呉鎮 (1280−1354 中国元代の詩人・学者 )  題竹 ( 竹を見ての作 ) 衆木 ( 多くの木 ) 揺落 ( ゆれ落ちる。木の葉が散ること )  君 ( 竹のこと ) 蒼然 ( 青々としたさま )  天 ( 天理。自然の道理 )

【講評】 用筆の要領に習熟した素晴らしい作品です。