読み方 |
「
一 雁 ( がん ) は連営を過ぎ、繁霜古城を覆う。 胡笳 ( こか ) 何 ( いず ) れの処にか在る。半夜辺声を起こす。
―
儲 ( ちょ ) 光 羲 ( き ) 作、 関山の月
― 」 |
通釈 | 仲間をはぐれた一羽の雁が、立ちならぶ陣屋の上を飛びすぎ、深い霜が古城を白くおおっている。夜中にどこからともなく、異民族のあし笛の音が聞こえてきて、かたいなかの哀愁をそそるのである。 |
語釈 | 儲光羲 (742 前後。中国盛唐の詩人・役人 ) 関山月 ( 関所のある山の上に出た月 ) 連営 ( いくつもならんでいる陣屋 ) 繁霜 ( 深い霜 ) 胡笳 ( 北方の異民族が、葦の葉を巻いて作った笛 ) 半夜 ( 夜中 ) 辺声 ( かたいなかのさびしい音 )
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【講評】 鍛えられた線条によって形成された作品。