読み方
珠 ( たま ) を ( あつ ) めて 眼晴 ( がんせい ) 輝く。四翼 紗 ( さ ) を織って 妍 ( けん ) なり。 邨 ( そん ) 童の計に陥る 莫 ( なか ) れ。繊 綸 ( りん ) 柳畔に懸かれり。        ― 臼 ( うす ) 田桜村作、 蜻 ( せいてい ) ―
通釈
玉を集めたような美しいひとみが輝く。四枚の 翅 ( はね ) は薄絹を織ったように美しい。さて、いなかの子どもの計略に陥らないようにしなさい。細い糸が柳のそばにかかっているぞ ( うかと見誤ると、生命はないよ ) 。
語釈
臼田桜村 (1871-1952  日本近代の漢学者。教育者。長野県の人 ) 蜻蜒 ( とんぼ ) 眼晴 ( ひとみ ) 紗 ( うすぎぬ ) 妍 ( 美しいこと ) 繊綸 ( 細い糸 )  柳畔 ( 柳のそば )

【講評】 結構整斉・筆力俊勁な素晴らしい作品です。