読み方
治む 可 ( べ ) き者は 吾 ( わ ) が心。外飾 復 ( また ) 何ぞ用いん。身に被らすに ( ぶんれい ) を 以 ( もっ ) てするも 鴟 ( ふくろう ) は 鳳 ( おおとり ) と 為 ( な ) す 可 ( べ ) からず。
                                              ― 石田東陵作、漫成 ―
通釈
つねに磨かなければならないのがわが心である。ただ表面だけ飾ってみたところで何の役に立とうか。これを例えてみれば、全身美しい羽でおおってみても、ふくろうを鳳凰にすることは出来ないようなものである。
語釈
石田東陵 (1865-1934.  日本近代の漢学者。仙台の人 ) 漫成 ( なんとなく心に浮かんだことを詩にしたもの ) 外飾 ( うわべを飾ること ) ( 美しい模様のある羽 ) 鴟 ( ふくろう ) 鳳 ( おおとり )

【講評】 気宇の博大な非の打ち所の無い首席作品です。