読み方 |
「
窓間梅熟して 蔕 ( へた ) を落とし、牆下 笋 ( たけのこ ) 成って林に 出 ( い ) づ。連雨春の 去 ( ゆ ) くを知らず。一晴 方 ( まさ ) に覚ゆ夏の深きを。
―
范 ( はん ) 成大作、晴を喜ぶ
― 」 |
通釈 | 窓辺では梅の実が熟してこぼれ落ち、垣根のもと、竹の子が林よりも高く伸びた。長雨で春の去るのも気がつかなかった。晴れ間が見えると、はや夏が深まっていることを悟った。 |
語釈 | 范成大 (1126 ― 1193 中国南宋の詩人・役人 ) 窓間 ( 窓辺。窓の外 ) 蔕 ( 果実などについているがく ) 牆下 ( 垣根の下 ) 笋 ( 竹の子 ) 連雨 ( 梅雨の長雨 )
|
【講評】 結構整斉、筆力勁健な首席作品です。