読み方 | 「
歳月人間 ( じんかん ) に促し、烟霞 ( えんか ) この地に多し。慇懃 ( いんぎん ) す竹林寺。更に幾回か過 ( よぎ ) るを得ん。
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朱放作、竹林寺に題す
― 」 |
通釈 | 人の世では、年月があわただしく過ぎ去るが、此の地は、もややかすみが立ち込める別天地で、浮き世を忘れさせてくれる。心ゆくばかり、今はこの竹林寺を楽しむのだ。この先、あと何回この地を訪れることができるかわからないのだから。 |
語釈 | 朱放 (773 前後。中国中唐の詩人・役人 ) 題 ( ある事物について述べること ) 竹林寺 ( 長江の中流域、九江の南に広がる山を廬山 ( ろざん ) というが、この山中に竹林寺はあったといわれる ) 人間 ( 人の世 ) 促 ( 慌ただしい。せきたてる ) 烟霞 ( もやとかすみ ) 慇懃 ( 心をこめるようす )
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【講評】 結構整斉、筆力勁健な非の打ち所の無い作品。