読み方
琴を置く曲 几 ( き ) の上、 慵座 ( ようざ ) して 但 ( た ) だ情を含むのみ。何ぞ煩わさん 故 ( ことさら ) に揮弄するを。風 絃 ( げん ) 自 ( おのずか ) ら声有り   ― 白居易作、琴 ― 」
通釈 琴をひじかけのそばに置く。物憂く坐って、ただおもいをめぐらすだけである。わざわざ琴を弾くには及ぶまい。風が吹いて、自然に琴の音になるのだから。
語釈
白居易 (772-846  中国中唐の詩人・役人 ) 曲几 ( 脇息。ひじかけ ) 慵座 ( 物憂く坐ること ) 故 ( わざわざ ) 揮弄 ( かきならすこと ) 風絃 ( 風の音を琴の音に見たてた )

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