読み方 | 「
落日五湖の遊、煙波処処愁う。浮沈千古の事、 誰 ( たれ ) と 与 ( とも ) にか東流に問わん。 ― 薛瑩 ( せつえい ) 作、秋日湖上 ― 」 |
通釈 | 「
日の落ちるころ、太湖に舟をこぎだすと、波間にたちこめるもやが、いたるところで愁いを抱かせる。昔から、人の世は、浮き沈みして定めのないもの。だれといっしょに、東に流れる水に尋ねたらよいのだろう。
」 |
語釈 | 「
薛瑩 (841 前後在世。 . 中国晩唐の詩人 ) 五湖 ( 江蘇省にある太湖。周囲が五百里あったのでいう。 ) 煙波 ( もやのたちこめる水面 ) 処処 ( いたるところ ) 浮沈 ( 栄えたり、おとろえたりすること。うきしずみ ) 千古 ( 遠い昔。永遠 ) 東流 ( 中国の主な川は東へ流れることから、永遠に変らぬものの象徴となっている。 )
」 |
【講評】 普段の努力が物を言った秀抜した作品です。