読み方
「 好在 ( こうざい ) なり 湘江 ( しょうこう ) の水。今朝 又 ( また ) 上り 来 ( きた ) る。知らず 此 ( これ ) より去りて、更に幾年にか 廻 ( かえ ) らしめん。             ― 柳宗元作、再び湘江を上がる ― 」
通釈
「 元気かね。湘江の水よ。今朝また舟でさかのぼってきた。さて、ここを去ってから、このうえ、何年で帰れるのだろうか。 」
語釈
「 柳宗元 (773-819. 中国中唐の詩人・役人 ) 湘江 ( 湘水ともいう。広西省興安県の陽朔山に源を発し、湖南省を通って南から北へと流れ、洞庭湖にそそぐ。 ) 再上 ( 柳宗元は左遷されて、中国南部の永州へ行くとき、湘江を舟でさかのぼった。十年後に帰郷したが、すぐにもっと南方の柳州に左遷された。この時も湘江を舟でさかのぼった。 ) 好在 ( あいさつのことば。お元気ですか。 ) 幾年 ( 何年 ) 廻 ( もとる。帰る。 ) 」

【講評】 字形・線質ともに卓抜した首席作品です。