読み方 「 空闊 ( くうかつ ) として湖水 広く、青 ( けい ) として天色同じ。舟を 艤 ( ぎ ) して一たび長 嘯 ( しょう ) すれば、四面より清風来る。                    ― 裴迪 ( はいてき ) 作、 欹湖 ( いこ ) ― 」
通釈 からりと開けて欹湖は広々としており、その水面は青く輝いて大空の色と同じである。乗っている舟を止めて、一度声を長くひいて詩を吟じると、四方から気持ちのよい清らかな風が吹いてきた。
語釈

裴迪 ( 生没年不明 中国唐代の詩人 王維と親交があった ) 欹湖 ( 王維の川荘 ( もうせんそう ) にあった湖 ) 空闊 ( からりと開けたさま ) 青 ( 青く輝くこと ) 艤 ( 舟を止めること ) 長嘯 ( 声を長くひいて詩などを吟じること ) 四面 ( 四方。周り ) 清風 ( すずしい風。すがすがしい風 )

【講評】 線質の大変優れた一頭地を抜いた作品です。