読み方 | 「 月耀 ( げつよう ) 晴雪の如く、梅華 ( ばいか ) 照星に似たり。憐れむ可し金鏡転じ、庭上玉房馨 ( かんば ) し。
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菅原道真作、月夜梅華を見る
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通釈 |
月の光は真白にかがやいて、晴れわたった日の雪景色を見るようである。そこに点々と咲きほこる梅花はさながら空を照らしている星のように見える。折から月輪が移動して、庭の美しいこべやのあたりに花の香がただよっているのは、誠に優雅で愛すべき景である。 |
語釈 | 菅原道真 (845-903 歌人・漢学者。醍醐天皇の時に右大臣となったが、左大臣藤原時平のざん言に会って、九州大宰府の長官として左遷されその地で没した。こゝに掲載した詩は菅原文章の卷首にあり,道真 11 歳の作といわれる。 ) 可憐 ( 心のひかれること。愛すべしの意 ) 金鏡 ( 満月をたとえていう ) 玉房 ( 美しい小室 )
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【講評】 不断の錬磨が物を言った首席作品です。