読み方
「 人行けば犬寒吠 ( ばい ) す。密雪村影迷う。酒家の扉を扣 ( たた ) かんと欲す。山橋一蓑 ( さ ) 冷 ( ひ ) ややかなり。         ― 謝芳連作、密雪に行人を望む ― 」
通釈
人が通ると犬は寒々とほえたてる。降りしきる雪に、村の方角も見失う。酒屋の戸をたたいて酒を買おうとするのだろうか、山の橋をゆくみのをつけた人が冷ややかに見える。
語釈
謝芳連 ( ?―? 中国清代の詩人 ) 密雪 ( 降りしきる雪 )  寒吠 ( 寒々と吠えること ) 酒家 ( 酒屋 ) 山橋 ( 山中にかかる橋 ) 一蓑 ( 一人のみのをつけた人物。みのは雨や雪をふせぐ外衣 )

【講評】 多年の錬磨によってもたらされた首席作品。