読み方
「沈沈として更鼓急に、漸漸として人声絶ゆ。灯を吹いて窓更に明らかに、月は照らす一天の雪。
                                         ― 袁 ( えん ) 枚 ( ばい ) 作、十二月十五日夜 ― 」
通釈
夜は静かにふけて、時を知らせる太鼓の音が激しく響き、しだいに人の話し声も消える。部屋のともしびを吹き消すと、窓の外はますます明るく、月の光が一面の銀世界を照らしている。
語釈
袁枚 (1716-1797  中国清代の詩人・役人 ) 沈沈 ( 夜が静かにふけてゆくようす ) 更鼓 ( 夜の時刻を知らせる太鼓 ) 急 ( 激しく。いそがしげに ) 漸漸 ( しだいに ) 吹灯 ( ともしびを吹き消すこと ) 一天 ( あめがした・全世界 )

【講評】 結構・線質ともに秀抜した素晴らしい作品。