読み方 | 「 痩(そう)竹藤(ふじ)斜めに挂(か)かり、幽花草(くさ)乱れ生ず。林高くして風に態有り、苔(こけ)滑(なめ)らかにして水に声無し。 ― 元好問作、山居雑詩 ―」 |
通釈 | やせた竹には、藤のつるが斜めにからみつき、そっと咲く花のまわりには、草が乱れ茂っている。林の木立はすっと高く、風が梢を吹きわたり、谷川の石には苔がなめらかにおおい、水がその上を音もなくすべり落ちる。 |
語釈 | 元好問 (1190 ― 1257 中国金代の詩人・役人 ) 山居 ( 山中に住むこと ) 雑詩 ( いろいろな事物や季節をよんだ詩 ) 幽花 ( 人知れずそっと咲く花 ) 態 ( しぐさ。形。ようす ) |
【講評】 字形が整い、筆力も備わった卓抜した作品。