読み方
「 軽く飛んで風を仮(か)らず、軽く落ちて地に委(まか)せず。繚(りょう)乱として晴空に舞い、人をして無限の思いを発せしむ。                          ― 劉(りゅう)禹(う)錫(しゃく)作、柳花の詞 ― 」
通釈 柳のわたは風の力を借りずとも軽く飛び、落ちて来ても地べたには着かぬ。入り乱れて晴れた空に舞い、人びとをやるせない物思いに沈ませる。
語釈

劉禹錫 (772-842 。中国中唐の詩人・役人 ) 柳花 ( ここでは柳のわたをいう。柳は葉が伸びない前に、暗紫色の花をつけ実を結ぶ。熟した実は綿毛をもった種を飛ばす。それが柳絮で、通常柳の花とも言う ) 詞 ( 歌えるように作った詩 ) 仮 ( 助けを借りる ) 繚乱 ( 入り乱れる )

【講評】 字形・線質ともに卓抜した首席作品です。