読み方
洛(らく)陽に才子を訪(と)えば、江嶺に流人と作(な)る。聞く説(なら)く梅花早しと。此(こ)の地の春に何如(いかん)ぞ。           ― 孟浩然作、洛陽に袁(えん)捨遺を訪うて遇(あ)わず ― 」
通釈
洛陽の町へ才子の袁捨遺をおたずねしたところ、江嶺のあたりに流罪の身となられたという。あちらは、気候温暖なので梅の花が咲くのも早いと聞いているが、ここ洛陽の春と比べて、どんなものであろうか。
語釈
孟浩然 (689 〜 740 。中国盛唐の詩人 ) 洛陽 ( 今の河南省洛陽県、洛水の北にあるからいう。たびたび都とされた所 ) 袁捨遺 ( 袁は姓、捨遺は官名 ) 江嶺 ( 江は長江、嶺は湖南・広東両省の堺にある五つの山々 ) 流人 ( 流罪の身となった人 ) 聞説 ( 聞くところによると ) 何如(どりようであるか)此地(洛陽をさす)

【講評】 結構整斉・筆力勁健な卓抜した作品です。