読み方
征戌 ( じゅ ) して桑乾に在り。年年薊 ( けい ) 北寒し。慇 ( いん ) 懃 ( ぎん ) なり駅西の ( こう ) 。此 ( こ ) の路は長安に到 ( いた ) らん。   ― 李 ( り ) 益作、太原の落漠 ( ばく ) 駅の西 ( こう ) に題す ― 」
通釈
遠征して桑乾に来た。例年のように薊北は寒い。ありがとうよ。落漠駅の西側の土手よ。この道の先には長安があるのだね。わが思いをとどけておくれ。
語釈
李益 (748 〜 829 。中国中唐の詩人・役人 ) 落漠駅 ( 古い宿駅の名。山西省太谷県の西北にあった ) 西 ( 宿駅の西側の土塁 ) 題 ( ある事物について詩を述べること ) 征戌 ( 国境の守備に行くこと ) 桑乾 ( 川の名。山西省北部から河北省北部に流れ永定河にそそぐ。 ) 年年 ( 毎年 ) 薊北 ( 河北省薊県の北方。唐代には辺境の要地であった )  慇懃 ( 感謝の意を表す語 )

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