読み方
「 独り山中に到 ( いた ) りて宿す。静かに月中に行く。何 ( いず ) れの処 ( ところ ) か水辺の碓 ( うす ) 。夜に雲母 ( も ) を春 ( うす ) づく声。                      ― 白居易作、山中に宿す ― 」
通釈
「 ひとり山の宿へ行こうと、静かに月の光の中を歩む。はて、水車はどこにあるのだろうか。夜、雲母を臼 ( うす ) でつくような音がさらさらとする。 」
語釈
「 白居易 (772-846  中国中唐の大詩人。役人としても要職についた ) 向 ( 於と同じ ) 水辺碓 ( 水車。碓は臼 ) 雲母 ( 六角板状のうすい珪酸塩鉱物。多く花崗岩中にふくまれ、はがれやすい。白雲母・黒雲母などの種類がある。耐火性が強く、今は主として電気の絶縁材料に用いられる。別名、きらら ) 」

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