読み方 | 「一茎両三花、低く垂れて朝露を ( したた ) らす。簾 ( すだれ ) を開いて幽色を弄 ( もてあそ ) べば、時に香風の度 ( わた ) る有り。」 ― 干 ( う ) 若瀛 ( えい ) 作、夜合の花 ― |
通釈 | 一つの茎に花が二つ三つ咲いていて、みな下をむいて朝露をしたたらせている。すだれをあげて、おくゆかしい花の色を楽しんでいると、ちょうど風にのって香がただよってきた。 |
語釈 | 干若瀛 (?-? 中国明代の詩人・役人 ) 夜合花 ( ねむの木の花。ねむの木は夜になると葉を閉じ合わせるので、夜合ともいわれる。 ) ( 露がしたたるさま ) 朝露 ( 早朝、花についた露 ) 開簾 ( すだれをあげる ) 弄 ( 喜び味わう ) 幽色 ( おくゆかしい色合い ) 度 ( 花の香りがただよう ) |
【講評】 結構整斉、線質強健な秀抜した首席作品です。