読み方 | 「
小浦魚の躍るを聞き、横林鶴を待ちて帰る。間雲雨を成さず、故 ( ことさら ) に碧 ( へき ) 山に傍 ( そ ) いて飛ぶ。
」 ―
陸游 ( ゆう ) 作、柳橋晩眺
― |
通釈 | 小さな水べで、魚が躍る音を聞き、横たわる林の中で、かわいい鶴を待って一緒に帰る。しずかに流れる雲は、雨を降らさず、わざと青い山に寄り添うように飛んでゆく。 |
語釈 | 陸游 (1125 ― 1209 中国南宋の詩人・役人 ) 柳橋 ( 柳の植えられた土手に掛けられた橋 ) 晩眺 ( 夕方の眺め ) 浦 ( 水に沿った一帯の地。水べ ) 横林 ( 横たわる林 ) 待鶴帰 ( 北宋の林和靖が鶴を愛し、鶴と共に家に帰った故事を踏まえる ) 間雲 ( しずかな雲 ) 故 ( わざと )
|
【講評】 字形・線質とともに一頭地を抜いている。