読み方
修条層漢を払い、密葉天潯 ( じん ) を障 ( さえぎ ) る。風を凌 ( しの ) いで勁 ( けい ) 節を知り、雪を負いて貞心を見 ( あらわ ) す。   ― 范 ( はん ) 雲作、寒松を詠ず ― 」
通釈
長い枝は空を払うかのように伸び、よく茂った葉は天の果てをも覆うかの勢い。風を受けて堪えるその姿に強い操を知り、雪をのせたその姿に正しい心をあらわしている。
語釈
范雲 (451 ― 503  中国南北朝時代の斉・梁の詩人・役人 )  寒松 ( 冬の寒さに負けず緑を誇る松 ) 修条 ( 長い枝 ) 層漢 ( 空。天 ) 天潯 ( 天の果て ) 凌風 ( 風に耐えること ) 勁節 ( 強い操 )  貞心 ( 正しい心 )

【講評】 字形・線質ともに秀抜した見事な作品です。