読み方 「霧裏山失するかと疑い、雷鳴って雨未 ( いま ) だ休 ( や ) まず。夕陽一半 ( ぱん ) を開き、望江楼を吐き出す。」
                              ― 鄭 ( てい ) 燮 ( しょう ) 作、江晴 ―
通釈 霧のなか山も消えたかと思われ、雷が鳴って雨は降りしきる。やがて夕陽が雲を割いてあらわれ、望江楼を吐き出すように照らし出した。
語釈 鄭燮 (1693-1765  中国清代の役人・詩人・画家 ) 江晴 ( 長江が日光に照らされること ) 霧裏 ( 霧の中 ) 疑 ( とまどう ) 一半 ( 半分。空が半ば晴れること ) 望江楼 ( 江蘇省鎮江市東北の焦山にあった長江を望む楼 )

【講評】 暢達した筆致の非の打ち所の無い作品です。