読み方
「 衆鳥高く飛びて尽き、孤雲独り去って間なり。相看 ( み ) て両 ( ふた ) つながら厭 ( いと ) わざるは、只 ( ただ ) 敬亭山有るのみ。 」 ― 李白作、独り敬亭山に坐 ( ざ ) す ―
通釈 たくさんの鳥たちは空高く飛んで、やがて見えなくなり、ひとつだけ浮かんでいた雲も流れ去って、あたりは静かである。じっと見つめ合ってお互いにあきないのは、ただこの敬亭山があるだけである。
語釈
李白 (701 ― 762 。中国盛唐の大詩人。 ) 敬亭山 ( 安徽省宣城県の北にある山 ) 独坐 ( 李白がひとりで敬亭山に登って、すわって風景をながめている。 ) 衆鳥 ( たくさんの鳥 ) 間 ( 静かなこと ) 両 ( 李白と敬亭山。山を擬人化し、親しみを込めている。 ) 不厭 ( あきない。いやにならない。 )

【講評】 線質の大変優れた卓抜した作品です。