読み方 | 「 乾 ( けん ) 坤 ( こん ) 精物有り。至宝文章無し。雕 ( ちょう ) 琢 ( たく ) して世器と為 ( な ) せば、真性一朝にして傷つく。 ― 韋 ( い ) 応物 ( ぶつ ) 作 玉を詠ず
― 」 |
通釈 | この世の中にはすぐれて立派なものがある。最上の宝にはあやももようも無い。彫り刻んでこの世の中のうつわとしたなら、ほんとうの性質はたちまちにして傷つくのである。 |
語釈 | 韋応物 (736 ― ? 。中国中唐の詩人・役人 ) 玉 ( たま。美しい石の総称 ) 詠 ( 漢詩を作ること ) 乾坤 ( 天地。この世の中 ) 精物 ( すぐれて立派なもの ) 至宝 ( この上もない宝 ) 文章 ( あや。もよう。飾り ) 雕琢 ( 彫り刻むこと ) 世器 ( この世の中で用いられるうつわ ) 真性 ( ほんとうの性質 ) 一朝 ( たちまちにして。すぐに )
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【講評】 結構・線質ともに抜群の出来ばえです。