読み方
「 已 ( すで ) に衾 ( きん ) 枕 ( ちん ) の冷ややかなるを訝 ( いぶか ) り、復 ( また ) 窓戸の明らかなるを見る。夜深くして雪の重きを知る。時に聞く折竹の声―白居易作、夜雪― 」
通釈
夜具がいやに冷たいので、どうしたことかと思ってふと頭を挙げると、窓や戸口が明るくなっている。真夜中に雪が降り積もっているのだ。ときどき竹の折れる音が聞こえてくる。
語釈
白居易 (772 ― 846 。中国中唐の大詩人。わが平安時代文学にも大きな影響を与えた ) 訝 ( あやしむこと。変に思うこと ) 衾枕 ( 掛け布団と枕。夜具 ) 折竹 ( 積もった雪の重みで竹がおれること )

【講評】 結構・線質ともに卓抜している。