読み方 軒に当たりて弥 ( いよいよ ) 滉 ( こう ) 漾 ( よう ) 、孤月正に徘 ( はい ) 徊 ( かい ) す。
谷口に猿声発し、風伝えて戸に入りて来る。      ― 裴 ( はい ) 迪 ( てき ) 作、臨湖亭 ―
通釈 軒端から見ると四面の水は波だって広がり、天上にはぽつんとものさびしい月がさまよっている。
谷の入り口当たりで猿が鳴き、その声は風が運んで戸の中に入ってきた。
語釈
裴迪 ( 719―?中国盛唐の詩人・役人。王維と親交があった ) 臨湖亭 ( 王維の別荘地である川には二十の名勝があった。臨湖亭はその中の一つで、湖面に突き出た所にあったあずまや )
当軒 ( 軒端のあたりで ) 滉漾 ( 水が広く波立つさま ) 徘徊 ( さまようこと )

【講評】 結構・線質ともに卓抜した首席作品です。