読み方

白羽扇を揺るがすに嬾 ( ものう ) く、裸袒 ( たん ) す青林の中 ( うち ) 。巾 ( きん ) を脱して白壁に挂 ( か ) け、頂 ( いただき ) を露 ( あらわ ) して松風に灑 ( そそ ) がしむ。  ―李白作、夏日山中―

通釈

白羽の扇子を動かすのすらめんどうくさいので、上半身はだかになって、みどりの林の中へと入った。頭巾をぬいで石の壁にかけ、頭をあらわにして思う存分、松林を抜ける涼風に吹かれよう。

語釈

李白 (701 ― 762 。中国盛唐の大詩人 )
嬾 ( めんどうくさい ) 裸袒 ( 上半身、はだかになること ) 灑 ( ふくこと )

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