薫風何 ( いず ) れの処 ( ところ ) よりか来り、我が庭前の樹を吹く。 啼 ( てい ) 鳥繁陰を愛し、飛び来りて飛び去らず。 ― 于 ( う ) 謙作、偶題 ―
かぐわしい初夏の風がどこからかやって来て、わが家の庭先の木々に吹いている。 さえずる鳥たちは茂った木かげが気に入って、飛んできたまま飛び去ろうとしない。
于謙 (1398 ― 1457 。中国明代の詩人・役人 ) 偶題 ( たまたま見たことを述べた詩 ) 薫風 ( 初夏のかぐわしい風 ) 繁陰 ( 茂った木かげ )
【講評】 鍛えられた線質に魅力がある。首席は不動。