読み方

川迥 ( はる ) かにして楓 ( ふう ) 林散じ、山深くして竹港幽なり。疎煙去鳥を沈め、落日帰牛を送る
―元好問作、山居雑詩―」

通釈

「川は遥か遠くへと流れ、かえでの林が葉を落とし、山は深く、竹むらに覆われた入り江は静かである。
薄く立ちこめる夕もやはねぐらへ帰る鳥の姿を隠し、夕日は家に帰る牛を照らして見送っている。」

語釈
「元好問 ( 一一九〇―一二五七。中国金代の詩人・役人 ) 山居雑詩 ( 山中の住居のあたりのいろいろな事を
よんだ詩 ) 散 ( ちらばる ) 幽 ( ひっそりしている ) 疎煙 ( うすく立ちこめるもや ) 帰牛 ( 家路につく牛 )」

【講評】 練磨の跡の窺がえる申し分の無い作品です。