読 み方
「 日暮れて蒼山遠し。天寒くして白屋貧なり。柴門(さいもん)犬の吠ゆるを聞く。風雪夜帰の人。
                            ― 劉長卿作 雪に逢いて芙蓉山に宿る。 ― 」
通 釈 夕ぐれの山々は青黒く遠くかすんでいる。寒気の中のかやぶきの家は貧しげだ。しばの戸口で犬のほえる声がする。このふぶきの夜道を帰って来たひとがあるのだろう。
語 釈
劉長卿(七〇九ー七八五?。中唐の詩人・役人。)白屋(かやぶきの粗末な家。)柴門(しばで作った門。)

【講評】 形、 流れ、安定感、いずれも優秀。一席です。