読 み方 |
「
人各(おのおの)好む所有り。物固(もと)より常の宜しき無し。誰か謂(い)わん爾(なんじ)能く舞うと。如(し)かず閑立の時に。
― 白居易作。 鶴 ― 」
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通 釈 | 人はめいめいその好むところを異にしている。物にはもともと、いつどこでも、また誰でもよろしいとするようなところは備わってはいない。鶴よおまえが天空に舞う姿をよろし いと言う者もあるであろう。しかし自分の好みからすると、おまえが天空を舞う姿よりも、しずかに立っている時の方がよろしいと思う。 |
語 釈 |
白居易(七七二―八四六。中唐の詩人。字は楽天。)常宜(何時いかなるところにおいても変りなく何人と雖も皆宜しとするところ。)
閑立(しずかに立っていること。)
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【講評】 有
終の美を飾り最高の出来栄え。一席です。