読 み方 |
「
西行(せいこう)一千里。瞑色(めいしょく)寒樹に生ず。暗に歌吹(かすい)の声を聞く。知る是れ長安の路。
― 儲光羲(ちょこうぎ)作 長安道 ― 」
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通 釈 | 西に旅すること一千里。さむざむとした樹木のあたりに、夕ぐれのけはいがただよい始めた。そのうちにどこからともなく歌声や楽器の音がにぎやかに聞えてきた。ああこれは都 の長安の路なのだ。 |
語 釈 |
儲光羲(七〇〇?―七六〇?。中国盛唐の詩人・役人。)
一千里(唐代の一里は約五六〇メートル。従って一千里は約五六〇キロメートル。)
瞑色(夕ぐれの色・けはい) 歌吹(歌をうたい、楽器を吹きならすこと。) 長安(唐の都。今の西安付近)
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【講評】 結
構、線質、連綿、いずれも抜群。よって一席です。