読 み方 |
「
二句三年に得たり。一たび吟ずれば双涙流る。知音(ちいん)如(も)し賞せざれば、帰り臥せん故山の秋に。
― 賈島作 詩の後に題す ― 」
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通 釈 | たった二句を作るのに三年もかかった。出来上った詩を口ずさむと両眼より涙がこぼれてくる。この詩を親しいあの方にお目にかけて、もしほめられなかったら、私は秋風の吹く故郷へ帰るよりほかはない。 |
語 釈 |
賈島(七八八―八四三。中国の詩人。) 知音(親友。知己。ここでは特定の人であるが、その名は不明。)故山(ふるさと。故郷)
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【講評】 結構、線質、連綿、いずれも抜群。よって一席です。