読 み方
「 清浅たる白石灘(はくせきたん)緑浦は向(ほと)んど把(と)るに堪えたり。家は住す水の東西。紗を浣(あろ)う明月の下。                           ― 王維作 白石灘 ― 」
通 釈 清らかで底石の白い浅瀬、白石灘。その水辺に生えている緑の蒲は、もう女達に束ねられてよさそうだ。川の東西に住む人家では、明るい月の水辺で、女達がうすぎぬを洗ってい る。
語 釈
王維(六九九―七五九。盛唐の詩人。南画の始祖。) 蒲(水草の名。がま。主として手芸材料にする。) 堪把(採取して束にするのに頃合いだ)。紗(うすぎぬ)

【講評】 引 き締った字形で流れも美しい。一席です。