読 み方
「 万里路(みち)長(とこ)しえに在り。六年今始めて帰る。経(ふ)る所旧館多きも、大半主人は非なり。
                                 ― 白居居作 商山の路にて感あり ― 」
通 釈 都への万里の道は、とこしえに存在する。その道を、六年ぶりに、私は今はじめて都へ帰る。
道すじには、六年前のなじみの旅館が多いが、半分以上、主人はあの時の人でない。
語 釈
白居易(七七二―八四六。中国中唐の詩人。字は楽天。) 商山路(商山は今の中国狹西省商県。そこを長安へと通ずる街道が商山路である。) 旧館(昔とまった旅館)。大半(半分以上。) 
非(すでにこの世の人でないことをいう)

【講評】 草 書の妙、流れの美しさ抜群。一席です。