読 み方 |
「
紫藤雲木に掛(かか)り、花蔓陽春に宜し。密葉歌鳥を隠(かく)し、香風美人を留む。
― 李白作 紫藤樹 ― 」
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通 釈 | 紫のふじの花は、雲つく大木に垂れ下っている。きれいな花をつけたつ るは、うららかな春にふさわしい。すきまのない葉は、さえずる小鳥の姿をかくし、かぐわしい風は、美しい人をとどめる。 |
語 釈 | 李白(七〇一―七六二。盛唐の大詩人。字は太白。) 紫藤(紫の藤の花。) 雲木(雲に届くような大木。) 花蔓(花をつけたつる)。歌鳥(さえずる小鳥。) |
【講評】
字形、流れ、潤渇の妙抜群。よって一席です。