読 み方
「 一岳東海を排し、三峰北斗を撐 (さそ) う。之 (これ) を斉魯 (せいろ) の間に置かば、泰山は是れ倍塿 (ばいろう)。
                                      ― 広瀬青邨作 富士山の図 ― 」
通 釈 一つの山が東海の空にそびえ立ち、三つの峰が北斗七星をささえている。これをかりに斉・魯の間に置いてくらべて見れば、中国五岳の一と誇る泰山などは小さい丘のようなもの だ。
語 釈
広瀬青邨 (?―一八八四。豊後の儒者。広瀬淡窓に学んで、後その嗣子となった。) 排 (おしのける。) 北斗 (北斗七星。) 撐 (ささえること)。斉魯 (どちらも中国春秋時代の国名。今の山東省の地。) 泰山 (中国五岳の一。山東省にある名山。) 倍塿 (小さい丘。)

【講評】 作品に精彩があり美しく見えます。一席です。