読 み方
「 江水三千里。家書十五行。行行 (ぎょうぎょう) 別語無し。只 (た) だ道 (い) う早く郷に帰れと。
                         ― 袁凱 (えんがい) 作 京師にて家書を得たる詩 ― 」
通 釈 揚子江のほとりの我が故郷は、ここ都南京からは三千里もへだたっている。その故郷の我が家から手紙がとどいた。見るとわずかに十五行のものである。そしてどの行にもどの行 にも、特別なことは書いてなくて、ただ、早く故郷に帰って来いと言ってあるだけだった。
語 釈
王維( 袁凱 (一四〇〇年ごろ在世。中国明初の詩人。) 江水 ( 揚子江の水。) 家書 ( 家からの手紙。) 道 ( 言とほぼ同じ。言う。) 京師 (みやこ)

【講評】 字形もよく、安定感抜群。流れもよい一席です。