読 み方
「 絶漠(ぜつばく)大軍還(かえ)り、平沙独戍(どくじゅ)間なり。空(むな)しく一片の石を留めて、万古燕山に在り。                          ― 劉長卿作 平蕃曲 ― 」
通 釈 砂漠を横切って大軍が還った後には、平らで広い砂原に一個の陣屋がひっそりとよこたわっている。そして軍功を刻した一片の記念碑が、永久に見る人もなく、近くの燕然山上に たっている。
語 釈
絶漠 (砂漠を横切ること。まっすぐに横切ることを絶という。) 独戍 (一個の守備兵の陣屋。) 燕山 (燕然山のこと。) 劉長卿 (盛唐の詩人・役人。) 平蕃曲 (えびすを平らげて凱旋したことを歌う歌曲。)

【講評】 臨書が正確で流れも美しく一席です。