読み方 |
子規 ( しき ) 啼 ( な ) きて歇 ( や ) まず。暁に到 ( いた ) らば口応 ( まさ ) に穿 ( うが ) つべし。況 ( いわん ) や是れ不眠の夜、声々耳辺に在り。
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王建作、夜子規を聞く
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通釈 | ほととぎすが鳴いて、その鳴き声は止むことがない。あのように鳴いていては、夜明けになると口が破れてしまうであろうと思われる。その上、自分には心配事があり、よく眠れないでいるこの夜、ほととぎすがつぎつぎと鳴きつづけ、その声が常にわが耳のあたりに聞こえている。
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語釈 | 王建 (751? ― 835 。中国中唐の詩人 ) 子規 ( ほととぎすの別名 ) 穿 ( あながあく。破れる。 ) 況 ( その上。ますます。 )
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【講評】 草書の多様な要素を熟知した優秀な作品。