読み方 |
煙を含む一株の柳。地を払い風に揺 ( うご ) くこと久し。佳人折るに忍びず。悵 ( ちょう ) 望して繊手を回 ( かえ ) す。
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杜牧作、独柳
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通釈 | 一株の柳がもやの中に立っている。その細い枝は、長い間地をはらい風にゆれうごいている。その姿がいかにもやさしくすぐれているので、美しい女がこれを折ろうとして折るに忍びず、残念そうにながめて、その細くしなやかな手をひっこめて折るのをやめた。
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語釈 | 杜牧 (803 - 852 中国晩唐の詩人・役人 ) 独柳 ( 一本の柳 ) 煙 ( もや ) 佳人 ( 美しい女 ) 悵望 ( 残念そうにながめること ) 繊手 ( しなやかな手。かぼそい手 )
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【講評】 = 結構・線質ともに、一頭地を抜いた作品。