読み方 |
春眠暁を覚えず。処々に啼鳥を聞く。夜来風雨の声。花落つること知んぬ多少ぞ。
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孟浩然作、春暁
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通釈 | 春の眠りのここちよさに、世が明けたのも気づかずにぐっすりと寝込んでしまった。まだ寝床の中でうつらうつらしていると、あちこちで小鳥のさえずる声が聞こえる。さては夜が明けたと見える。昨夜からだいぶ風雨がはげしかったようであったが、庭の花はどれだけ散ったことやら、定めしたくさん散って、春の眺めもそこなわれたことであろう。
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語釈 | 孟浩然 (689〜740 。中国盛唐の詩人 ) 処々 ( あちこちで ) 啼鳥 ( 鳴く鳥の声 ) 夜来 ( 昨夜 ) 多少 ( 多いこと。少は意味のない添え字 )
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【講評】 筆致の勁健な申し分の無い作品です。