読み方 |
日浄 ( きよ ) くして山染むる如 ( ごと ) く、風暄
( あたた ) かにして草薫らんと欲す。梅は残す数点の雪。麦は漲 ( みなぎ ) る一渓の雲。 ― 王安石作、斉 ( せい ) 安の壁に題す ― |
通釈 | 日は清らかに照り、山は青く染めたようである。吹く風は暖かく、若草はよいにおいをただよわせている。梅はほとんど散ったが、それでもあちこちに数点の雪のような花を残している。そして谷間の麦畑はまるで緑雲がひろがっているように見える。
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語釈 | 王安石 (1021 ― 1086 。中国北宋の詩人・役人 ) 斉安 ( 今の湖北省黄岡 ( こうこう ) 県の西北にある地名 ) 題 ( 詩文を書きしるすこと )
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【講評】 結構が整い、線質の優れた卓抜した首席作品です。