読み方 |
昨夜梁 ( りょう ) 園の裏 ( うち ) 、弟は寒くして兄は知らず。庭前に玉樹を看 ( み ) る。腸 ( はらわた ) は断えて連枝を憶 ( おも ) う。
― 李白作、雪に対し従兄虞 ( ぐ ) 城の宰に献ず ― |
通釈 | 昨夜梁園で底冷えにふるえていた弟の寒さを、兄さん、あなたはおそらくご存知ないでしょう。けさ庭さきに雪化粧した玉樹をながめつつ、悲痛な思いで、連なる枝から兄弟のつながりを考えています。
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語釈 | 李白 (701 〜 762 中国盛唐の大詩人 ) 梁園(むかし漢の時代に梁の孝王が造った庭園) 従兄 ( 年上の、男のいとこ ) 虞城 ( 河南省の東端にある町 ) 宰 ( 地方長官 ) 玉樹 ( 槐・えんじゅの別称 ) 断腸 ( 非常に悲しいこと ) 連枝 ( 連なった枝 )
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【講評】 結構・筆触ともに卓抜した首席作品です。